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皆さんこんにちは
万寿農園の更新担当の中西です。
~“カラフルな畑”~
私たちは、トマトとピーマンを中心に栽培している小さな家族農家です。
スーパーに行けば一年中並んでいるトマトとピーマン。
でも、その1つ1つがどんな畑で、どんな人の手で育てられているのか…
意外と知られていないのではないでしょうか?
今日は、「トマト・ピーマン農家のリアルな一年」と、
私たちが大切にしているおいしさ・安全・土づくりへのこだわりを、畑目線でじっくりお話してみたいと思います
トマトもピーマンもナス科の作物で、
ハウスや露地で一緒に育てられることも多いペアですが、
畑で向き合っていると、性格は結構ちがうなぁと日々感じます
水にとても敏感(水をやりすぎると味がボケる)
日当たりが大好き、でも高温ストレスも受けやすい
病気に弱い品種も多く、風通しが命
トマトはよく言えば“繊細”、
悪く言えば“気難しい”タイプです(笑)
根が強く、比較的タフで長く収穫が続く
真夏の高温にも比較的耐えてくれる
多少のストレスには「あんまり気にしないよ〜」という雰囲気
トマトに比べると、
**「どっしり構えた相棒」**という感じ。
だからこそ、
トマトとピーマンを一緒に作ることで、
収穫シーズンのリスク分散にもつながっています
トマト・ピーマン栽培は、
タネをまいて苗を育てるところから…と思われがちですが、
実はその前の**「土づくり」**が勝負のスタートです
収穫が終わった株を片付ける
残った根や茎をすき込んで分解を促す
堆肥や有機質肥料を入れて、土の“ごはん”補給
トマトやピーマンは、
たくさんの実をつける分だけ、土の栄養をしっかり使います。
だからこそ、**「来年に向けて土を休ませながら育てる」**イメージで、
ふかふかの畑をつくっていきます。
土が酸性に傾きすぎていないか(pHチェック)
大雨のあと、水が溜まりやすい場所はないか
根がしっかり伸びられる固さかどうか(スコップを刺して感触確認)
こうした一つ一つの地味な確認が、
**「おいしいトマト・ピーマンになるかどうか」**を左右します。
“良い野菜はいい土から”というのは、
本当にその通りなんです
冬が終わり、春が近づいてくると、
いよいよタネまきと苗づくりのシーズンが始まります。
トマトとピーマンは、
直接畑にタネをまくのではなく、
育苗ハウスで苗を大事に育ててから畑に出してあげるのが一般的です。
いつ頃から収穫を始めたいか
出荷のピークをどの時期に合わせるか
その年の気温・桜の開花などから“季節の進み具合”を読む
これらを全部頭の中に入れて、
**「タネまきはこの週」「定植はこのあたり」**と逆算していきます
少し早すぎても、遅すぎてもダメ。
毎年少しずつ答えが違う“難問”です
発芽したての双葉がしおれていないか
温度が高くなりすぎていないか(換気)
水やりが多すぎないか・少なすぎないか
トマトの苗は、
水を与えすぎるとひょろひょろになってしまいます。
ピーマンの苗は、
育ちはゆっくりですが、根がしっかりするとグッと強くなります。
一つひとつのトレーを見ながら、
「この子たちはしっかりした苗になるなぁ」
「この列は少し水を控えようかな」
と、まるで保育士さんのような気持ちで育てています✨
苗が15〜20cmくらいに育ち、
茎もしっかり太くなったら、いよいよ畑へのお引っ越しです。
強風予報の日は避ける
寒の戻りが来そうなときは後ろ倒し
雨の前後のタイミングで土の状態を見極める
苗はまだまだ繊細。
植え付け直後に強風や低温が来ると、
活着(根が土になじむこと)に大きなダメージを受けてしまいます
畝にマルチ(黒いビニール)を張り、
一本一本、苗の顔を見ながら植えていく。
このとき、
深く埋めすぎない
根鉢を崩しすぎない
苗がまっすぐ空に向くように植える
など、細かいポイントもたくさんあります。
「よし、ここがお前の新しい部屋だぞ〜」
そんな気持ちで植えています
定植が終わると、
いよいよトマト・ピーマンの成長ステージが本格的にスタートします。
ここからは、
**「水・肥料・温度・風」**のバランスとの戦いです
トマトは、水をやりすぎると
実が水っぽくなる
皮が薄い品種だと割れやすくなる
味がぼやけてしまう
逆に、水を絞ると
甘さがギュッと濃くなる
実の締まりが良くなる
…けれど、絞りすぎると
木が弱ってしまう
花が落ちる
生育が止まってしまう
このギリギリを攻めるのが、
トマト農家としての腕の見せどころです
晴れの日が続くときは「もう一日我慢できるか?」
雨のあとには「今日は水を控えよう」
毎朝、葉の色・土の乾き具合・実の付き具合を見ながら、
「今日の一手」を決めています。
ピーマンは、一度勢いがつくと、
次から次へと花を咲かせて実をつけてくれます。
でも、放っておくと
株が疲れてきて実が小さくなる
枝が混みすぎて病気が出やすくなる
そこで、
枝の整理(不要な枝を切る)✂️
途中で少し追肥してあげる
実を小さいうちに早めに収穫して株を休ませる
など、「マラソンランナーのペース配分」のようなイメージで管理していきます。
トマトが短期決戦型だとすると、
ピーマンはじっくり長期戦型♂️
両方がいることで、農園全体のリズムも作りやすくなります。
トマトもピーマンも、
いよいよ色づき始めると農家としてもワクワクが止まりません。
へたの近くまでしっかり色が回っているか
品種ごとに“完熟の色”を覚える
実を軽く触ったときの弾力
これらを見ながら、
「この子は今日だ」
「この列はあと1〜2日待とう」
と判断していきます。
青いうちに取りすぎると、
見た目は赤くなっても味が乗らないことがあります。
逆に完熟を畑で待ちすぎると、
輸送に耐えられないくらい柔らかくなってしまうことも
「おいしさ」と「届けるための強さ」
両方のバランスを考えながら、収穫のタイミングを決めています。
ツヤがあり、張りがあるか
品種に応じた大きさになっているか(あえて小さめで収穫することも)
ヘタまわりがしっかりしているか
ピーマンは、少し早めに収穫することで
種が少なく、苦味がやわらかい
肉厚でもやわらかい食感になりやすい
というメリットもあります。
反対に、あえて完熟(赤やオレンジ)まで育てて、
甘みを楽しんでもらうこともできます
せっかくなので、
畑目線での“推しの食べ方”も少しだけご紹介します。
冷やしすぎない(冷蔵庫から出して少し置く)
くし切りにして、塩をひとつまみ
これだけで、
トマトが持っている甘さ・酸味・香りが一番よく分かります。
オリーブオイル+塩
大葉+しょうゆ
なども相性抜群です✨
丸ごとグリルに入れて焼きピーマン
オリーブオイルと塩だけで蒸し焼き
フライパンでじっくり素焼きしてからポン酢をジュッと
「ピーマン=苦い」というイメージを持っている方にこそ、
**“じっくり火を通したピーマン”**を試してほしいです
トマトとピーマンは、性格の違う“相棒作物”
農家の一年は、土づくり→苗づくり→定植→管理→収穫の積み重ね
おいしさの裏には「水の加減」「スタミナ配分」「収穫のタイミング」がある
シンプルな食べ方こそ、野菜の本当の味が分かる
スーパーや直売所でトマト・ピーマンを手に取ったとき、
ふと、畑の景色や農家の一年を思い出してもらえたら嬉しいです
今日の食卓に、
「生のトマト」「焼きピーマン」が一品増えたら…
生産者として、こんなに幸せなことはありません