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月別アーカイブ: 2025年9月

万寿農園の農園日誌~やりがい~

皆さんこんにちは

万寿農園の更新担当の中西です。

 

~やりがい~

 

1|やりがい:毎日が“成果発表”

  • 味や香りが数字で返ってくる
    EC・pH・温度・水分ログの微調整が、**糖酸バランス(トマト)肉厚・直線性(ピーマン)**にその週のうち反映。

  • 揃いがつくれる職人技
    花房管理・側枝整理・摘葉で、列全体のサイズと色の均一が決まる。畝が“同じ顔”にそろう快感。

  • 食卓と産業を支える誇り
    家庭料理、惣菜、外食の裏側で毎日食べられる野菜を支給している実感。

  • チームで同品質に近づける
    SOPとチェックリストで、未経験メンバーも“狙いの品質”へ。教えるやりがいが大きい。

  • 規格外も価値に変えられる創意工夫
    ソース・ピクルス・ドライでゼロロスに挑戦。

  • 季節をデザインできる
    遮光や夜温の設計で“夏でも味が濃い”“秋は色のりが早い”を演出できる。


2|いま強い“ニーズ”はここにある

  1. 安定品質(外れを出さない)

    • トマト:糖酸レンジ、裂果率、奇形率の週次KPI管理

    • ピーマン:曲がり率、肉厚レンジ、色回りの日次点検

  2. 環境制御の再現レシピ化
    VPD・昼夜温・CO₂・EC・pH・水分ストレスの基準値と許容幅を明文化。

  3. 気候レジリエンス
    高温・多雨・強風に対して遮光/ミスト/換気/高畝排水、耐病・耐暑品種の品種リレー

  4. 省力化×標準化(SOP)
    収穫・選別・梱包・予冷までの動線を60–90秒動画SOP化。

  5. 収穫後品質(ポストハーベスト)
    収穫→予冷のリードタイム短縮、角打ち防止の箱設計、結露対策。

  6. 衛生・エビデンス
    簡易HACCP、残留基準、IPM(天敵・微生物資材)で減農薬×安定収量

  7. 多販路と関係性販売
    市場+契約(惣菜・外食・加工)+直販EC+観光で出口の重ねがけ

  8. コストとサステナブル
    水・電力・資材の原単位の見える化、資材リサイクル、CO₂施用の費用対効果点検。


3|買い手別「刺さる提案」テンプレ

  • 量販・青果
    → サイズ(L/M比率)、色階級、破損率目標、欠品時の代替ロット、バーコード・パレット運用。

  • 惣菜・外食
    歩留まり試算(皮・ヘタ・種)、カット規格、予冷温度、日持ち評価、異物対策SOP。

  • 加工(ソース・ピクルス・ドライ)
    → 糖度/酸度(トマト)、肉厚・空洞率(ピーマン)のロット別成績表、規格外活用プラン。

  • 直販・EC
    → 収穫日・保存法カード、味の説明(糖酸・香り)、セットのレシピ同梱、レビュー導線。


4|“選ばれる農家”の運用テンプレ

  1. 3プラン販売
    ベーシック(家庭用MIX)/セレクト(秀品中心・糖度レンジ提示)/プロユース(歩留まり保証・規格固定・定期便)。

  2. 品質ダッシュボード
    収量・規格比率・糖酸/糖度・曲がり/奇形・破損率・クレーム・原単位を週1枚に。

  3. SOP+動画
    摘葉・誘引・収穫・選別・梱包・予冷を写真3枚+短尺動画で標準化。

  4. 端境期カレンダー
    作期分散・他産地連携・冷蔵/冷凍在庫の放出条件を事前合意

  5. 出口多層化表
    生鮮/惣菜/加工/直販の代替先・担当・合意規格を一覧化。


5|KPI

  • トマト:糖度/酸度(Brix/TA)・裂果率(%)・奇形果率(%)・階級比率

  • ピーマン:曲がり率(%)・肉厚レンジ適合率(%)・日焼け/しわ率(%)

  • 共通:収量(kg/㎡)・労働生産性(kg/人時)・破損/返品率(%)・原単位(kWh・m³/㎏)・直販比率(%)

週報1枚に集約して翌週の作業・販売配分へ反映すると、改善スピードが上がります。


6|“価格競争”を避ける差別化ポイント

  • 数値で語る品質:糖酸レンジ・曲がり率・歩留まり・予冷時間・返品率を公開。

  • 現場の可視化:SOP写真、予冷~梱包の動画、IPMの取り組みを資料化。

  • レシピの一部を開く:昼夜温・EC・水分の方針を“ストーリー化”して信頼を獲得。

  • 環境指標:水・電力・資材回収率を年報で提示(B2Bに強い)。


7|100秒ストーリー(猛暑日の前倒し)

猛暑予報でトマトは裂果、ピーマンは花落ちのリスク。
前週のログは夜温高め+仕上げ潅水遅れ
遮光を10%強め、夜明け前の潅水を前倒し、ECを微調整して樹勢を締め、収穫後の予冷を15分短縮。
3日後、トマトの裂果率は1/3、ピーマンの曲がり率は−6pt

「今日のラタトゥイユ、味が濃い」——数字と段取りが、食卓の笑顔に変わった。


8|明日からできるミニ改善 ✅

  • 予冷リードタイムを1日だけ全ロットで計測→動線を10分短縮。

  • EC・pHメーター校正を月初ルーチン化。

  • **摘葉・誘引の写真SOP(3枚)**をハウス入口に掲示。

  • 規格外の即時出口表(加工・直販・寄付)を担当と価格ごとに整備。

  • 週1で糖度/曲がり・破損率のホワイトボード更新→翌週の作業に反映。


まとめ ✨

やりがいは「数字で返る手応え」「揃いを作る職人技」「食卓を支える誇り」「チーム育成」「ゼロロスの創意」。
ニーズは「安定品質」「環境制御のレシピ化」「気候レジリエンス」「省力×SOP」「収穫後品質」「エビデンス」「多販路」「サステナブル」。

今日の一歩――“予冷時間の見える化”と“SOPの写真化”から。
小さな仕組み化が、“外れのない美味しさ”と選ばれ続ける産地
をつくります

 

 

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万寿農園の農園日誌~変遷~

皆さんこんにちは

万寿農園の更新担当の中西です。

 

~変遷~

 

1|序章:畑の実から“設計できる作物”へ

トマトとピーマンは、家庭の定番から外食・惣菜・加工の柱へ。
量の時代 → 規格と歩留まり → データ経営 → レジリエンスとサステナブルへと進化してきました。


2|〜1970年代:露地主体・家族労働・“勘と経験”の時代

  • 栽培:露地・簡易トンネル。元肥・中耕・支柱・摘心が基本。

  • 防除:病害虫対策は経験依存、天候の当たり外れが収量を左右。

  • 流通:近隣市場へ“朝採りでドサッと”出荷。選果・規格は緩め。
    → キーワード:量の確保/天候勝負


3|1980〜1990年代:施設化・接ぎ木・規格の厳格化(均一と効率)

  • 施設・資材:ビニールハウス・マルチ・滴下潅水が普及。

  • 接ぎ木:根圏病害や連作障害に対応、安定収量へ。

  • 受粉・着果:トマトは振動・訪花昆虫、ピーマンは温度・肥料バランスの最適化で花落ち抑制

  • 流通:量販店台頭でサイズ・色・光沢・傷の基準が明確化、納期厳守が常態に。
    → キーワード:均一・納期・省力


4|2000年代:高設・養液・高ワイヤー(体感と歩留まりの時代)

  • 栽培体系:高設ベンチ/養液土耕・養液栽培、EC・pH管理が日常に。

  • 樹勢管理:高ワイヤー誘引、摘葉・摘果で果実サイズと着色を設計。

  • 品質設計:トマトは糖酸バランス、ピーマンは肉厚・直線性・肩張りを数値で管理。

  • 物流:予冷・パレット・バーコードで破損ロス低減
    → キーワード:歩留まり/味の設計/ロス削減


5|2010年代:ICT・天敵活用・直販多様化(レシピ経営)

  • 環境制御:温湿度・CO₂・日射・土壌水分をセンサーで可視化、昼夜温戦略の最適化。

  • IPM天敵・微生物資材で減農薬と収量安定を両立。

  • SKU戦略:ミニトマト・高糖度トマト、カラーピーマン・肉厚系など、用途別に細分化

  • 販路:契約・直販EC・惣菜・加工(ドライトマト、ソース、ピクルス)が並立。
    → キーワード:データ/多販路/ブランド


6|2020年代:高温・豪雨・人手不足へのレジリエンス(持続可能性の設計)

  • 気候対応:遮光・ミスト・換気経路、高温耐性・病害抵抗性の品種リレー。

  • 省力化:収穫台車・選別ライン・ビジョン選果、動画SOPで未経験者を即戦力化。

  • 衛生・エビデンス:簡易HACCP、異物・残留基準、コールドチェーンの徹底。

  • 環境:資材リサイクル、水・電力の原単位管理、CO₂施用の費用対効果見直し。
    → キーワード:レジリエンス/人材育成/サステナブル


7|“技術の肝”の変遷(現場の勘所)️

共通

  1. EC・pH×水分ストレス設計:味と歩留まりはここで決まる。

  2. 日射利用と温度の“振れ幅管理”:昼夜温、VPD、風の通り道。

  3. 花房・側枝の整理:着果数を決め、揃いをつくる。

  4. 予冷と梱包:収穫→予冷までのリードタイム短縮、角打ち防止の箱設計。

トマト寄り

  • 糖酸バランス:夜温・日射・仕上げ潅水の三位一体。

  • 奇形果・裂果対策:水分変動・Caバランス・日射の急変を抑える。

ピーマン寄り

  • 花落ち・着果障害:高温時は着果負荷を調整、EC上げ過ぎ注意

  • 曲がり・しわ対策:樹勢維持・収穫タイミング・肥大期の水分安定。


8|ビジネスモデルの変遷:卸一本から“多層の出口”へ

  • :市場出荷が中心。

  • :市場+契約(外食・惣菜・加工)+直販EC+観光農園+加工(ソース・ピクルス・ドライ)。

  • KPI:平均単価だけでなく、規格適合率・糖度/酸度(トマト)・曲がり/空洞率(ピーマン)・破損率・原単位(燃料/電力/水)・直販比率で全体最適へ。


9|“選ばれる農家”の運用テンプレ(コピペOK)

  1. 3プラン販売
    ベーシック(家庭用MIX)/セレクト(秀品中心・糖度レンジ提示)/プロユース(歩留まり保証・規格固定・定期便)。

  2. 品質ダッシュボード
    収量・規格比率・糖酸/糖度・曲がり/奇形率・破損率・レビュー/クレーム・原単位を週1枚に。

  3. SOP+動画(60–90秒)
    摘葉・誘引・収穫・選別・梱包・予冷を“誰でも同品質”に。

  4. 出口多層化表
    生鮮/加工/直販/業務用の代替先・合意規格・担当連絡先を整備。

  5. 端境期カレンダー
    作期分散・他産地連携・冷蔵/冷凍在庫で欠品ゼロを設計。


10|KPI(最小セット)

  • トマト:糖度/酸度(Brix/TA)/裂果率(%)/奇形果率(%)/階級比率

  • ピーマン:曲がり率(%)/肉厚レンジ適合率(%)/日焼け・しわ率(%)

  • 共通:収量(kg/㎡)/労働生産性(kg/人時)/破損・返品率(%)/原単位(kWh・m³/㎏)/直販比率(%)


11|現場の“やりがい”はこう変わった

  • 毎日が成果発表:列ごとに揃う果実、箱を開けた時の色と香り。

  • “現場の科学”の手応え:EC・温度・光・CO₂を組み合わせ、味や揃いが数字で返ってくる

  • 食卓と産業を支える誇り:家庭料理・惣菜・外食の裏側に自分の実がある。

  • チームで同品質:SOPとダッシュボードで、誰の列でも同じ品質に近づく。

  • 規格外も価値に:ソース・ドライ・カットでゼロロスへ挑戦。

  • 次世代へ渡せるOS:土・設備・販路・データという“農園のOS”を引き継げる。


12|100秒ストーリー(真夏日の前倒し)

猛暑予報で花落ちと裂果が心配。
前週のログを見ると夜温高め+仕上げ潅水が遅れ気味
遮光を10%強め、夜明け前の潅水を前倒し、ECを微調整して樹勢を締め、収穫後は予冷を15分短縮。
3日後、トマトは裂果率1/3、ピーマンは曲がり率−6pt

「今日のミネストローネ、味が濃いね」——数字と段取りが、食卓の笑顔に変わった。


13|明日からできるミニ改善 ✅

  • 予冷リードタイムを1日だけ全ロットで計測→動線を10分短縮。

  • EC・pHメーターの校正を月初ルーチン化。

  • **摘葉・誘引の写真SOP(3枚)**をハウス入口に掲示。

  • 規格外の即時出口表(加工・直販・寄付)を担当と価格ごとに整備。

  • 週1で糖度/曲がり・破損率のホワイトボードを更新→翌週の作業に反映。


まとめ ✨

トマト・ピーマンは、
露地と勘 → 施設×接ぎ木 → 養液×データ → レジリエンス×サステナブルへと進化。
これからの鍵は、EC・水分・温度の再現レシピ、予冷リードタイム短縮、多層の出口設計、SOP×ダッシュボード

今日の一歩は――“予冷時間の見える化”と“作業SOPの写真化”から。
小さな仕組み化が、“外れのない美味しさ”と選ばれ続ける産地
をつくります

 

 

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