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皆さんこんにちは
万寿農園の更新担当の中西です。
~変遷~
目次
トマトとピーマンは、家庭の定番から外食・惣菜・加工の柱へ。
量の時代 → 規格と歩留まり → データ経営 → レジリエンスとサステナブルへと進化してきました。
栽培:露地・簡易トンネル。元肥・中耕・支柱・摘心が基本。
防除:病害虫対策は経験依存、天候の当たり外れが収量を左右。
流通:近隣市場へ“朝採りでドサッと”出荷。選果・規格は緩め。
→ キーワード:量の確保/天候勝負。
施設・資材:ビニールハウス・マルチ・滴下潅水が普及。
接ぎ木:根圏病害や連作障害に対応、安定収量へ。
受粉・着果:トマトは振動・訪花昆虫、ピーマンは温度・肥料バランスの最適化で花落ち抑制。
流通:量販店台頭でサイズ・色・光沢・傷の基準が明確化、納期厳守が常態に。
→ キーワード:均一・納期・省力。
栽培体系:高設ベンチ/養液土耕・養液栽培、EC・pH管理が日常に。
樹勢管理:高ワイヤー誘引、摘葉・摘果で果実サイズと着色を設計。
品質設計:トマトは糖酸バランス、ピーマンは肉厚・直線性・肩張りを数値で管理。
物流:予冷・パレット・バーコードで破損ロス低減。
→ キーワード:歩留まり/味の設計/ロス削減。
環境制御:温湿度・CO₂・日射・土壌水分をセンサーで可視化、昼夜温戦略の最適化。
IPM:天敵・微生物資材で減農薬と収量安定を両立。
SKU戦略:ミニトマト・高糖度トマト、カラーピーマン・肉厚系など、用途別に細分化。
販路:契約・直販EC・惣菜・加工(ドライトマト、ソース、ピクルス)が並立。
→ キーワード:データ/多販路/ブランド。
気候対応:遮光・ミスト・換気経路、高温耐性・病害抵抗性の品種リレー。
省力化:収穫台車・選別ライン・ビジョン選果、動画SOPで未経験者を即戦力化。
衛生・エビデンス:簡易HACCP、異物・残留基準、コールドチェーンの徹底。
環境:資材リサイクル、水・電力の原単位管理、CO₂施用の費用対効果見直し。
→ キーワード:レジリエンス/人材育成/サステナブル。
EC・pH×水分ストレス設計:味と歩留まりはここで決まる。
日射利用と温度の“振れ幅管理”:昼夜温、VPD、風の通り道。
花房・側枝の整理:着果数を決め、揃いをつくる。
予冷と梱包:収穫→予冷までのリードタイム短縮、角打ち防止の箱設計。
糖酸バランス:夜温・日射・仕上げ潅水の三位一体。
奇形果・裂果対策:水分変動・Caバランス・日射の急変を抑える。
花落ち・着果障害:高温時は着果負荷を調整、EC上げ過ぎ注意。
曲がり・しわ対策:樹勢維持・収穫タイミング・肥大期の水分安定。
昔:市場出荷が中心。
今:市場+契約(外食・惣菜・加工)+直販EC+観光農園+加工(ソース・ピクルス・ドライ)。
KPI:平均単価だけでなく、規格適合率・糖度/酸度(トマト)・曲がり/空洞率(ピーマン)・破損率・原単位(燃料/電力/水)・直販比率で全体最適へ。
3プラン販売
ベーシック(家庭用MIX)/セレクト(秀品中心・糖度レンジ提示)/プロユース(歩留まり保証・規格固定・定期便)。
品質ダッシュボード
収量・規格比率・糖酸/糖度・曲がり/奇形率・破損率・レビュー/クレーム・原単位を週1枚に。
SOP+動画(60–90秒)
摘葉・誘引・収穫・選別・梱包・予冷を“誰でも同品質”に。
出口多層化表
生鮮/加工/直販/業務用の代替先・合意規格・担当連絡先を整備。
端境期カレンダー
作期分散・他産地連携・冷蔵/冷凍在庫で欠品ゼロを設計。
トマト:糖度/酸度(Brix/TA)/裂果率(%)/奇形果率(%)/階級比率
ピーマン:曲がり率(%)/肉厚レンジ適合率(%)/日焼け・しわ率(%)
共通:収量(kg/㎡)/労働生産性(kg/人時)/破損・返品率(%)/原単位(kWh・m³/㎏)/直販比率(%)
毎日が成果発表:列ごとに揃う果実、箱を開けた時の色と香り。
“現場の科学”の手応え:EC・温度・光・CO₂を組み合わせ、味や揃いが数字で返ってくる。
食卓と産業を支える誇り:家庭料理・惣菜・外食の裏側に自分の実がある。
チームで同品質:SOPとダッシュボードで、誰の列でも同じ品質に近づく。
規格外も価値に:ソース・ドライ・カットでゼロロスへ挑戦。
次世代へ渡せるOS:土・設備・販路・データという“農園のOS”を引き継げる。
猛暑予報で花落ちと裂果が心配。
前週のログを見ると夜温高め+仕上げ潅水が遅れ気味。
遮光を10%強め、夜明け前の潅水を前倒し、ECを微調整して樹勢を締め、収穫後は予冷を15分短縮。
3日後、トマトは裂果率1/3、ピーマンは曲がり率−6pt。
「今日のミネストローネ、味が濃いね」——数字と段取りが、食卓の笑顔に変わった。
予冷リードタイムを1日だけ全ロットで計測→動線を10分短縮。
EC・pHメーターの校正を月初ルーチン化。
**摘葉・誘引の写真SOP(3枚)**をハウス入口に掲示。
規格外の即時出口表(加工・直販・寄付)を担当と価格ごとに整備。
週1で糖度/曲がり・破損率のホワイトボードを更新→翌週の作業に反映。
トマト・ピーマンは、
露地と勘 → 施設×接ぎ木 → 養液×データ → レジリエンス×サステナブルへと進化。
これからの鍵は、EC・水分・温度の再現レシピ、予冷リードタイム短縮、多層の出口設計、SOP×ダッシュボード。
今日の一歩は――“予冷時間の見える化”と“作業SOPの写真化”から。
小さな仕組み化が、“外れのない美味しさ”と選ばれ続ける産地をつくります